講演抄録/キーワード |
講演名 |
2007-01-26 17:00
本学におけるMBE基礎教育(学生実験)“自分で作った装置で自分の心電図をとって見よう”6年間の実績、反省および展望 ○竹内康人・湯ノ口万友(鹿児島大) |
抄録 |
(和) |
あらまし: 物造りの基礎教育として、またMBEの基礎教育として、1チャンネル心電テレメトリー送信機の自作自用を学生実験の課題として課している。この課題教育の6年間の実績、反省点、および今後の展望を述べる。
1. はじめに
ディジタル万能の当節において、原始データ採取系のアナログ技術に関する基本知識の重要さは増すばかりである。教育現場においてもこれを重視した体験教育が重要と思われる。本学においては学生実験において物造りの基礎教育、またMBEの基礎教育も兼ねて、自作体験させるための教材として、標記のテーマで1チャンネル心電テレメトリー送信機の自作自用を課題として課している。この教育の6年間の実績、反省点、および今後の展望を述べさせて頂く。
2. 教材装置の設計
最も基本的な生体信号採取用のDCカット差動増幅噐(時定数1.5秒)とFMサブキャリヤ発信器をQuad Op-Ampにて構築、水晶発振段にサブキャリヤでFMをかけ、目的周波数領域(433.92MHz前後)に来るその高次高調波をパッシブフィルタで抽出して直接ホイップアンテナを駆動する。電波形式はNBFM-FM、サブキャリヤの信号仕様は欧州系の電話回線経由1チャンネル心電信号伝送規格(1.5KHz, 100Hz/1mV)に準じている。回路基板は名刺の半分程度、外観はは図1a,bの如くである。あえて表面実装部品は基本的に使わず、初心者が直視下に手作業で組立て出来る大きさのディスクリート部品を採用した。尚、コイル類は全て手作りである。
主キャリヤ受信は市販の通信計測用受信機(AX700Bなど)、サブキャリヤ復調にはLM565をアプリケーションノート通りの回路で使用、記録は心電図用に汎用の熱ペン式記録器(WR7000)である。この無線周波段は既に発表の物[1]と同等であり、アンテナ出力は数十μWのレベルで到達距離は5ないし10m程度、室内実験や簡素な屋外実験には全く十分であり、かつ電波法の管理外の低レベルである。電源としては単4乾電池2個を用い、数日間の連続動作に耐える電池寿命がある。ちなみに、何故いきなり無線式を入門教材としたかは、運動負荷時の観測を取り入れたかった事もさる事ながら、斯界の技術なら必ず思い至る通り、素人細工の装置における電気的生体安全を磐石のものとしたかったからである。 |
(英) |
Abstract: For basic craftsmanship, also for basic MBE, our 6 years experience of said student learning theme is introduced. Perspective for future educational program is also addressed. |
キーワード |
(和) |
物造り教育 / 心電信号 / テレメトリー / 学生実験 / / / / |
(英) |
Craftsmanship education / ECG / Telemetry / Student / / / / |
文献情報 |
信学技報, vol. 106, no. 506, MBE2006-115, pp. 77-80, 2007年1月. |
資料番号 |
MBE2006-115 |
発行日 |
2007-01-19 (MBE) |
ISSN |
Print edition: ISSN 0913-5685 |
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