本研究では伝送路応答の推定を必要としないダイレクト等化器の中でも、ゼロフォーシング(ZF : Zero Forcing)基準に基づいた等化器[1]に着目している.これは等化器と伝送路をまとめて1つのシステムと見なしその合成応答をZF基準とよばれる基準に合わせることで信号の復調精度を高めるものである.文献[1]では雑音の分散を既知として等化処理を行っているが、実際の環境では雑音の分散を正確に知ることは困難である.本研究では、DLS(Data Least Square)の概念を用いたパラメータの導出に着目している.これはシステムの入力に混入する誤差に対して摂動を与え、摂動のフロベニウスノルムが最小になるようにパラメータを導出する.これにより雑音の分散が未知の環境下でも従来手法と同等の干渉抑圧能力を実現する.