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講演名 |
2015-05-14 13:20
[招待講演]ナノエレクトロニクス研究開発の現状と今後の課題 ○河村誠一郎(JST) VLD2015-5 |
抄録 |
(和) |
「科学技術基本計画」は、わが国の今後10年程度を見通した5年間の科学技術政策を定めるものであり、現在第4期(2011-2015)が進行中である。第3期の重点領域型(ライフサイエンス、ICT、環境、ナノテク・材料)から第4期では課題解決型に政策転換され、それに伴ってナノテク・材料は共通基盤技術に位置づけられた。つまり、ナノテク・材料を様々なエレクトロニクス技術に適用する「ナノエレクトロニクス」は、もはや一つの独立した分野ではなく、ライフサイエンス、情報通信、環境エネルギーなど、社会基盤を構築するあらゆる分野を下支えする共通インフラ技術と言える。このような観点から考えると、自ずからナノエレ研究開発の今後のあり方が見えてくる。
2000年以降、日本ではつくばの地を拠点とした、いくつかの半導体・ナノエレクトロニクス関係の国家プロジェクトが設立されたが、これらは2014年度でほとんど終了し、その後の具体的な計画は無かった。この現状に鑑み、JSTでは2013年度「素材・デバイス・システム融合による革新的ナノエレクトロニクスの創成」と題する国家プロジェクト:ナノエレCREST(桜井総括)を発足させた。採択の条件として、研究提案の内容に加えて、技術レイヤの融合、定量的目標の設定、プロジェクト終了時のPOC(具体的なデモ試作)の3点を課して、イノベーションの誘発が期待できるプロジェクトを目指している。JSTではさらにナノエレ関連後継プロジェクトとして、グラフェンやトポロジカル絶縁体などの「二次元機能性原子薄膜」のCREST(黒部総括)を2014年度に設立した。これにより、日本の材料研究の強みを生かし将来の超低消費電力エレクトロニクスデバイス・システムを実現し、今後の持続性社会実現に強く求められる省エネ、省資源に資することを目的とするプロジェクトを準備することができた。今後は、将来の社会へ多大なインパクトがあるプロジェクト、例えばデジタルデータを数百年から数千年レベルの超長期に亘って安定に保存できる「超長期保存メモリ・システムの開発」などのプロジェクト化を検討中である。このプロジェクトは、歴史、文化、科学情報(データ)など後世に長く残すことに意味のある情報の継承を実現すべく、信頼性の高い超長期保存メモリ・システムを開発するという、ビッグデータ時代の社会からのニーズに応える課題解決型の研究開発である。
本講演では、国内外のナノエレ研究開発の現状を概観するとともに、わが国のナノエレ研究開発の課題を考え、これから計画されているナノエレ関係プロジェクトを紹介しながら、今後の方向性を探る。 |
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(Not available yet) |
キーワード |
(和) |
科学技術基本計画 / ナノエレCREST / 二次元CREST / 超長期保存メモリ・システム / / / / |
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文献情報 |
信学技報, vol. 115, no. 21, VLD2015-5, pp. 37-37, 2015年5月. |
資料番号 |
VLD2015-5 |
発行日 |
2015-05-07 (VLD) |
ISSN |
Print edition: ISSN 0913-5685 Online edition: ISSN 2432-6380 |
著作権に ついて |
技術研究報告に掲載された論文の著作権は電子情報通信学会に帰属します.(許諾番号:10GA0019/12GB0052/13GB0056/17GB0034/18GB0034) |
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VLD2015-5 |