講演抄録/キーワード |
講演名 |
2019-01-23 16:00
深層学習を用いたシナプス入力の振幅推定 ○佐藤元重・野口朝子・高 夢璇・大内彩子・池谷裕二(東大) NC2018-41 |
抄録 |
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パッチクランプ法は神経細胞の活動を1シナプス入力レベルかつ高時間分解能で調べることのできる電気生理学研究に欠かせないツールである。しかしin vivoの閾値下膜電位は数千もの神経細胞からの入力が複雑に混じる上に、呼吸や血管拍動によるゆらぎを完全に除去することは困難である。本研究の目的はin vivo膜電位のゆらぎと脱/過分極の判別し、振幅を定量することである。我々は画像認識精度の高い深層学習(ResNet)により膜電位ゆらぎとシナプス入力を判定できると仮説を立てた。データセットを用意するため、麻酔下マウスより海馬CA1野錐体細胞のin vivo膜電位、および理想的なシナプス入力としての海馬スライスの錐体細胞より興奮性シナプス後電位(EPSP)を記録した。in vivo膜電位は位相をランダム化することで、シナプス入力の波形を歪め、シナプス入力を含まない波形画像を2万以上得た。このサロゲート信号にスライス記録から得たEPSPを様々な振幅で加算し、様々な振幅のシナプス入力を模倣した信号を同数得た。これらのデータセットでシナプス入力の有無をResNetに学習させたところ、人間に匹敵する精度を示した。また、加算したシナプス入力の振幅を最終層で回帰する設計で学習させたところ、自発的な膜電位振動の標準偏差程度の誤差での推定に成功した。このモデルはin vivo膜電位の解析に統一的な定量性を与えるものと考えられる。 |
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(Not available yet) |
キーワード |
(和) |
深層学習 / 回帰 / パッチクランプ法 / 膜電位 / シナプス入力 / / / |
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文献情報 |
信学技報, vol. 118, no. 414, NC2018-41, pp. 17-21, 2019年1月. |
資料番号 |
NC2018-41 |
発行日 |
2019-01-16 (NC) |
ISSN |
Online edition: ISSN 2432-6380 |
著作権に ついて |
技術研究報告に掲載された論文の著作権は電子情報通信学会に帰属します.(許諾番号:10GA0019/12GB0052/13GB0056/17GB0034/18GB0034) |
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