講演抄録/キーワード |
講演名 |
2024-10-18 11:20
電気機器の接続不安定性についての一仮説 ○市吉 修(二十一楽生会) SANE2024-40 |
抄録 |
(和) |
長期間使用していない電気機器の電源スイッチを入れる場合には簡単にはいかない事を経験する場合がある。その場合には何回もOn/Offを繰り返すと電源が入るようになる。一旦うまく行くとそれ以降は概ね簡単に電源投入されるようになる。音響機器では電源投入が不安定な場合に音量が大きくなったり小さくなったりする二つの水準が観察される事がある。また筆者が以前経験した衛星通信システムにおいては稀に不安定になるチャネルがあった。観察によると不安定が生じるのは晴天時が多く、曇天時には殆ど観察されなかった。このようなチャネル不安定性問題は通常小型衛星地球局の室内装置と屋外装置を接続する同軸ケーブルをしっかり接続し直す事が解決法であった。
上の現象の原因は何であろうか。長く使わないスイッチの不安定性の原因はスイッチ金属表面の汚れ、酸化物の蓄積などであろう。音響機器の場合の二水準現象、及び衛星チャネルの不安定性現象について筆者は金属の接触現象について以下のモデルを立てて考察した。二個の金属の表面は不規則な凹凸があるため接触部で真に接触している部分と隙間の部分とがある。ここに通電すると実電流が流れるのは接触部であるがそれは狭いので電気抵抗を生じる。他方隙間部は相対する部分がコンデンサとして機能するので金属接触部は等価的には電気抵抗(接触抵抗)と容量の並列回路として表現できる。また等価容量部には相対する金属部分間にクーロンの法則による電気的引力が、等価抵抗部にはフックの法則による機械的斥力が働き、両者の均衡により接触状態が決まると考えられる。そこで金属接触部について簡単な仮説を立て前述の現象を定性的に説明できる事を報告する。 |
(英) |
We often experience instability in turning on a radio after a long period of dis-use. We also observe that some audio equipment can have the loudness fluctuating between two levels. The author once observed some satellite channels fell into instability more often in clear weather conditions than on cloudy or rainy days. Those problems can be solved by repeating on/off switching or reconfirming connections of coaxial cables. What causes those instabilities? Here is reported a hypothesis that gives a qualitative explanation for the above phenomena. |
キーワード |
(和) |
金属の接触 / 接触抵抗 / 等価容量 / 弾性力 / 電気力 / コンデンサ・マイクロフォン / / |
(英) |
Metal contacts / Contact resistance / Contact capacitance / Capacitance microphone / / / / |
文献情報 |
信学技報, vol. 124, no. 209, SANE2024-40, pp. 66-69, 2024年10月. |
資料番号 |
SANE2024-40 |
発行日 |
2024-10-10 (SANE) |
ISSN |
Online edition: ISSN 2432-6380 |
著作権に ついて |
技術研究報告に掲載された論文の著作権は電子情報通信学会に帰属します.(許諾番号:10GA0019/12GB0052/13GB0056/17GB0034/18GB0034) |
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