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講演名 |
2021-11-10 13:05
[依頼講演]IoTデバイスの電源課題を解決する分散協調型無線電力伝送システムの開発 ○田中勇気(パナソニック システムネットワークス開発研)・濱政 光・枷場亮祐(パナソニック)・佐藤 浩・小柳芳雄(パナソニック システムネットワークス開発研)・池田拓磨・梶原正一・五閑 学・谷 博之(パナソニック)・林 健太朗・木崎一廣・猿渡俊介・渡辺 尚(阪大) AP2021-100 RCS2021-147 |
抄録 |
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B5G/6Gにおいては,超多数のセンサおよびアクチュエータデバイスが物理空間上に設置され,高密度なCPS(Cyber Physical System)が構築されることが想定されている.しかし,それらのデバイスの電源供給手段は未だ最適解がない状態である.例えばエナジーハーベストでは発電デバイスのサイズや電力供給の安定性に課題があり,一次電池や二次電池を用いた場合は電池交換・充電コストが膨大となる.そのようなデバイスへの電源供給手段として,マイクロ波を用いた無線電力伝送が検討されている[1-2].しかし,マイクロ波で十分なエネルギーを供給するためには一般的な無線通信と比較して2桁以上大きな電力で送信を行う必要があり,電波干渉や人体防護の観点から問題がある[3].分散協調型WPT(Wireless Power Transfer)システムは比較的小出力の送電アンテナを分散配置し,同時に送電を行うことで伝送効率や給電範囲を拡大する概念である[4].さらに,送電周波数を同期し,送電位相を適切に制御することで受電端末の位置に対してピンポイントでの給電が可能となる[5-7].到来する電波が同位相で加算される位置においては,受信電力が建設的に重ね合わせられて大きな電力が得られる一方,他の位置における受電電力はレイリーフェージングにより相対的に低い値となる.この性質から,本方式では高い受電電力と低い不要輻射を両立できると考えられる.複数の送電アンテナから同位相で受電アンテナに給電するためには,送電アンテナと受電アンテナの間のチャネル情報を知ることが必要となる.しかし,受電端末として想定する端末は低消費電力が求められるので,電波の送信や演算を極力行わないことが重要となる.そこで,本方式ではバックスキャッタ信号を用いて低消費電力で位相を最適化する手法を用いることにより,受電端末における電力消費を最小限としつつ最適位相の算出を実現している.また,本システムによる実証実験として,筆者らはGNU RadioとUSRPから構成されるソフトウェア無線プラットフォームを利用している.これにより,容易に本システムを実装することができ,様々な位相最適化アルゴリズムを用いた実験を行うことができる.
本検討ではまず分散協調型WPTの特徴を既存のビームフォーミング型WPTとの比較により説明する.次にバックスキャッタを用いた位相最適化手法について述べ,ソフトウェア無線機を用いた実装について説明する.そして構築した実験システムによる測定結果を示し,分散協調型WPTシステムの有用性について議論する. |
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キーワード |
(和) |
マイクロ波電力伝送 / 分散アンテナシステム / フェーズドアレイ / / / / / |
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文献情報 |
信学技報, vol. 121, no. 234, RCS2021-147, pp. 20-20, 2021年11月. |
資料番号 |
RCS2021-147 |
発行日 |
2021-11-03 (AP, RCS) |
ISSN |
Online edition: ISSN 2432-6380 |
著作権に ついて |
技術研究報告に掲載された論文の著作権は電子情報通信学会に帰属します.(許諾番号:10GA0019/12GB0052/13GB0056/17GB0034/18GB0034) |
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